2022年度「文化庁 大学における文化芸術推進事業」のなごやヘルスケア・アートマネジメント推進事業「ーコロナ社会の医療福祉環境改善に資するアートマネジメントー」の研究会「救急外来の暴言・暴力に対するヘルスケアアートの可能性」に参加して、グループワークで提案したクリアファイルです。
研究会では実際に救急科の医師が、救急外来での患者やその家族による、暴力や暴言が起きている現場の説明がされ、参加者で「そもそも救急外来にアートは必要か」というところから、情報共有やグループワークが行われました。
救急外来に求める理想の受診を想う患者やその家族と、救急外来(大学附属病院の)とはそもそもどういう機能をしているのか、という2つの視点に、とてもズレがあることがわかりました。
デザイン業の目線から、啓発活動の方法や見せ方、来院した患者が持つクリアファイルなどの持つ情報で、そのズレを埋めることができるのではないか、という提案をしました。
同じグループのインテリアコーディネーター業の女性は、暴力や暴言の起きやすい場所に目が届きやすいレイアウトの修正、といった専門家らしい提案もされました。
提案までの想定でされていた事業でしたが、救急科の先生がクリアファイルを気に入ってくださり、クリアファイルが実際に使用していただけることとなりました。
2023年度から現場で使用されています。
メインビジュアルは、同じ病院の外来入院棟の廊下にあるヘルスケアアートの、木材で作られたモチーフをトレースしたアウトラインで、入院棟のアートへのつながりを持たせています。